愛のしるし、について

PUFFYがザファーストテイクで「愛のしるし」を歌っていたが、この曲はPUFFYが歌うと乙女心の歌に聞こえるしスピッツに歌わせるとナイーブな少年と青年の中間くらいの男の歌に聞こえるから凄い。よく考えたら歌詞に性別を感じさせる要素が一切ない。そもそも具体的な要素がない。

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スピッツの歌詞は大体そうだが、歌詞に具体性がほとんどなく抽象的なフレーズを雰囲気だけで聞かせる作りになっている。10年前ならボカロの曲にそういうのが多かった。しかしスピッツ及びPUFFYが歌うとなんかうっすらと何が言いたいのかわかってくる気になってくるのである。

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この「うっすら何が言いたいのかなんとなくわかってくる」がキモで、大抵のこの手の歌詞は「どうせ適当なフレーズで埋めただけだろ」と聞き手に思われ冷めさせがちになり、そうなると作品としては失敗となる。そうならないのは草野マサムネの作詞家としての技量なのだろう。

……と思っていたが、森七奈のカバー版を聴いたら上手いし美人だが「お前は何を言っているんだ?」感が拭えなかった。これが単なる感性を失った老害の感想なのか、あるいは前者二組の歌声がこの曲の「うっすら何がいいたいのかわかってくる」に関わっていたのか。謎である。

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